2016年5月1日日曜日

5月 裸麦


赤かび病罹病粒とカラスノエンドウの種子の「混入禁止」


 赤かび病罹病粒に対する検査規格が厳しくなっています。収穫時に赤かび病の裸麦が混入すると、乾燥までの間に感染が広がり、全体に被害が出ます。
 また、カラスノエンドウノの種子が混入すると、調整や精麦、加工段階での除去が困難となります。
 どちらも収穫前に混入しないように努めましょう。

混入防止対策


 収穫前に圃場内を巡回し、カラスノエンドウを抜き取ります。
 赤かび病が発生している恐れがある圃場は、区別して収穫します。
 倒伏麦は、小石などの異物が混入しないよう注意して収穫します。

刈取り


 収穫時期によって品質が大きく変わります。降雨による品質低下を避けるため、適期に速やかに収穫します。
 千粒量が最大になる時が裸麦の成熟期です。穂色が黄緑色から品種固有の色に変わり、粒がロウ状の硬さになれば収穫できます。収穫は、この2~3日後が適期です。
 穀粒水分が30㌫以下になったら収穫します。穂首の曲がった穂数の割合で見るとマンネンボシは20~30㌫に達したころが目安です。
 穀粒水分は、晴天の場合で3~4㌫、雲天の場合は1~2㌫程度減少するため、適期を予測して収穫します。

乾燥・調整


 高温による急激な乾燥を避け、発酵による変質や熱損粒を防ぎましょう。品質低下を防ぐポイントは、高水分時の乾燥にあります。
 穀粒水分が25㌫以上の高水分麦は、穀温40℃以下で乾燥すると品質が劣化しません。
 循環型乾燥機を使う場合は、高水分による循環不良を考慮し、乾燥機への張り込み量を20~30㌫少なくしましょう。

仕上げ水分

裸麦・・・13㌫以下

 調整は、ライスグレーダーなどを使い、マンネンボシの篩目は、2.2㍉とします。
 雑草種子や異物などは取り除き、細粒の混入を防ぎます。

5月 トマト


定植


 根の伸び具合や花の状態を見て、晴天の日に定植します。定植後は、鉢土と畦土の隙間をなくすように軽く潅水します。苗が倒れないように誘引し、草姿を整えます。
 活着するまでは、育苗期と同様、こまめな温度や潅水管理に努めます。

 

防除


 早めに圃場周辺の除草をします。「病気は予防、害虫の早期防除」の意識で随時観察します。
 定植時は植穴にベストガード粒剤を1株当たり1~2㌘施し、土壌混和します。定植後は、コナジラミ対策としてラノーテープを設置します。
 ※病害虫の被害にあった株は早めに取り除き、被害まん延を防いで下さい。

5月 ピーマン


育苗管理


 昼間はハウス内を換気し、日照を確保しながら、夜間は保温に努めます。葉が重なり始めたら、日光が作物全体に当たるよう、鉢の間隔を広げます。
 また、アブラムシ類対策としてアドマイヤー水和剤2,000倍を散布します。(収穫前日まで2回以内)
 鉢を広げた頃に肥料切れしそうな葉や淡い色の苗があれば、早めに追肥します。
 定植7日前頃には、苗を徐々に外気温に慣らします。
 また、軟腐病を予防するため、ドイツボルドーAを800倍散布します。(日数と使用回数の制限なし)

定植準備


 定植2週間前までに基肥を施しておきます。
 土壌水分を確保してからマルチを張り、早めに圃場を準備しておきます。
 乾燥に弱いため、潅水チューブを設置し、作柄の安定に努めます。特に水田は高畦にし、排水対策を万全にします。

 定植


 定植は晴れの日を選び、定植当日または前日にマルチに穴をあけ、植穴にオリゼメート粒剤を1株当たり5㌘施し、土壌混和で深植えにならないようにします。

5月 久万高原清流米


初期の病害虫防除対策

苗箱処理剤

デジタルコラトップアクタラ箱粒剤   1箱当たり 50㌘

 田植えの前日に処理をすると効果が高まります。苗の露を払い取り、施用量を守って均一に散布します。散布後に再度、ホウキ等で表面をなで、薬が確実に定着するよう潅水します。

初期の除草対策


 除草効果を高めるため、初期除草剤と一発処理除草剤との体系処理をします。(ともに使用回数1回)

初期除草剤(10㌃当たり)


 サインヨシフロアブル   500cc(代かき後または田植直後~ノビエ1葉期)

 ただし、代かき後に使う場合は、施用後8日目に田植えをします。

田植後の処理除草剤(10㌃当たり)

①メガゼータ1㌔粒剤   1㌔(移植直後からノビエ葉期まで)

②メガゼータフロアブル   500㍉㍑(田植後5日~ノビエ3葉期)

③メガゼータジャンボ   400㌘(田植後5日~ノビエ3葉期)
 
 ただし、②と③は田植え後30日まで

※基準施用量を超えないこと。
※除草剤の効果は、水管理で大きく変わります。土壌が露出すると効果が下がるため、
 代かきで表面を平らにし、施用後は最低3日間、堪水状態を保ちます。
※水持ちの悪い田は、5㌢程度の深水します。畦や水口、水尻の不良田、オーバーフ
 ロー田でも効果が下がるため、水漏れがないか田んぼの周囲を確認します。
※風の強い時に除草剤を散布すると、風下側に薬剤が偏り、薬害が発生するため、風の
 無い時に散布します。

施肥設計表

 

病害虫防除体系

※本指針に掲載した農薬は、原則として「2015年12月1日現在」の農薬登録に基
 づいて作成しました。
※特別栽培農産物のため、肥料などの施肥基準量や農薬などの使用基準、散布量を超え
 たり、栽培指針にない肥料や農薬、除草剤、土づくり資材等を使用した場合は「久万
 高原清流米」として取扱いできません。
※田植え前に畦畔の水漏れを点検して下さい。
※農薬散布後は、1週間程度止水し、水田からの農薬の流出防止を徹底します。
※農薬は、ラベルに表示されている記載事項を十分に確認し適正に使用して下さい。
 

5月 ダイコン


播種


 3月下旬から4月上旬は、気温が低く抽苔が予想されるため、「晩々G」または「春の砦」を作付けします。
 連作になる圃場は、土壌病害のイオウ病が発生する恐れがあるため、耐病性の「VR系品種」を作付します。

病害虫防除

キスジノミハムシ(10㌃当たり)

フォース粒剤   6~9㌔(播種時1回・土壌混和)

ハチハチ乳剤   1,000倍~2,000倍
         (収穫14日前まで2回以内・葉面散布)

5月 スイートコーン


潅水


 株の太さに合わせ、潅水量を徐々に増やしていきます。雄花が見え始めてからは、たっぷり潅水し、収穫まで土壌を乾燥させないようにします。

追肥(10㌃当たり)


 本場6~8枚頃と雄穂出穂前に、NK化成32号を30㌔ずつ施します。

病害虫防除


 下図の液剤を使う場合は、5,000倍に薄めた展着剤のまくぴかを加えます。



5月 キウイフルーツ

 

摘蕾


 奇形果や偏平果になる基部の蕾は必ず取り除き、1平方㍍当たり40~50個になるようにします。

着蕾と摘蕾


病害虫防除

≪5月上旬≫

かいよう病

コサイド3000   2,000倍(収穫後~開花前まで制限なし)
クレフノン   200倍(収穫後~開花前まで制限なし)

クワイシロカイガラムシ若齢幼虫

アプロード水和剤   1,000倍(収穫前日まで2回以内)


≪蕾裂開期≫

花腐細菌病

カスミン液剤   400倍(収穫90日前まで4回以内)


≪5月下旬≫

果実腐敗病

アリエッティ水和剤   600倍(収穫120日前まで2回以内)

5月 松山長なす


本支柱たて

V字仕立て


 パイプ支柱を3㍍間隔に2畦をまたいで立てます。畦から80㌢の高さでマイカー線を張り、支柱が45度になるように誘引します。

本支柱立て誘引線




ホルモン処理

 
 石ナスと落花防止のため、開花前日か当日の午前中にトマトトーン50倍液を単花処理します。
 

潅水

 
 定植直後は、土壌を乾燥させないよう株元にたっぷり潅水し、乾燥が続く場合は2~3日おきに潅水します。
 

病害虫防除

うどんこ病・チャノホコリダニ

モレスタン水和剤   2,000倍(収穫前日まで3回以内)
※春先の気温が上がる前に使いましょう。
 

アブラムシ類・ミナミキイロアザミウマ・オンシツコナジラミ

アグロスリン乳剤   1,000倍(収穫前日まで5回以内)

5月 エダマメ


特性

・高温作物で低温に弱い

・乾燥に弱い(特に開花期以降)

・収穫適期が短い

品種

「えぞみどり」

播種


 10㌃当たり約6㍑の割合で、1穴に2粒を播きます。土壌は適度な水分が必要なため、乾燥時はたっぷり潅水します。種が隠れる程度に覆土し、寒冷紗をベタ掛けします。

栽植密度


 畦幅150㌢、株間30㌢、3条の黒マルチを使います。

施肥(10㌃当たり・レタス跡作以外)

完熟堆肥        1,000㌔
粒状苦土石灰      120㌔
BMリンスター     20㌔
農協専用化成500   20㌔

潅水と葉面散布


 開花期以降は、特に乾燥を嫌うため、たっぷり潅水します。
 開花期から10日ごとに、ガイピープロ1,000倍を葉面散布します。
 子実肥大期は、ポン液肥2号600倍を葉面散布します。

収穫


 収穫適期が3日と短いため、未熟や過熱に注意して収穫します。

除草剤


 雑草生育期にバスタ液剤300ccを水100㍑に溶き、畦間処理します。
 (収穫14日前まで3回以内)

病害虫防除(10㌃当たり)

≪播種時~子葉展開時≫

ネキリムシ(土壌表面株元処理)

ネキリエースK   3㌔(収穫21日前まで2回以内)


≪生育期≫

白絹病

モンカットフロアブル40   1,000~2,000倍
               (収穫21日前まで3回以内)

茎疫病

ライメイフロアブル   2,000倍~4,000倍(収穫3日前まで3回以内)

アブラムシ類・カメムシ類

スミチオン乳剤   1,000倍(収穫21日前まで4回以内)

ハスモンヨトウ

プレバソンフロアブル5   4,000倍(収穫3日前まで3回以内)


≪莢肥大期≫

ハスモンヨトウ・カメムシ類

アファーム乳剤   1,000倍~2,000倍(収穫3日前まで2回以内)
    +
アルバリン顆粒水溶剤   2,000倍(収穫7日前まで2回以内)
ダントツ水溶剤   2,000倍~4,000倍(収穫3日前まで3回以内)

5月 タマネギ


病害虫防除


 気温の上昇と降雨により、病害が発生しやすくなります。腐敗を防ぐため、定期防除を徹底します。
 散布液を混用し、展着剤のまくぴかを5,000倍に薄めて加えます。

病害虫防除の目安

 

除草

 
 雑草は引き抜かず、地際部で切除して圃場外に持ち出します。引き抜くとタマネギの根がちぎれ、ねぎボウズが発生しやすくなります。

5月 水稲


育苗

床土準備


 農協育苗培土またはPH5~5.5に調整した、病害虫のない清潔な土壌を使います。床土は10㌃当たり100㍑を準備します。

種子の処理順序

乾籾→塩水選→水洗い→種子消毒→浸種→催芽→播種
 ※必ず3年に1度は種子を更新します。

塩水選


 籾種を10㌃当たり4㌔準備し、塩水選をした後に水洗いします。水10㍑に対し、食塩2㌔を入れ、塩水選の比重を1.13にします。

種子消毒


 スポルタックスターナSE200倍とスミチオン乳剤1,000倍を混用し、24時間浸漬します。
 ※処理中は時々、かくはんしましょう。
 消毒は綱袋を使います。袋には、8分目程度を目安に入れます。

播種時期と浸種日数


 発芽を均一にするため、鳩胸状態になるまで浸種します。積算温度は100℃で、種子消毒日数は浸種日数に含みます。(下記の図と表を参照)
 田植え予定日から逆算して20~25日前に播種します。



播種と栽培密度


 良質な苗を作るためには、薄播きが大切です。催芽籾を1箱あたり180㌘を播きます。1坪当たり50~60株、1株当たり3~4本植えます。10㌃当たりで16~20箱ほど必要です。

野菜・麦作跡地の残さ腐熟促進

豊土サングリーン元肥用   5~10㌔

温度管理の目安

コシヒカリ・あきたこまち






にこまる

出芽長2㌢程度で硬化します。にこまるは伸びやすいため注意しましょう。






土壌改良剤(10㌃当たり)


 稲の生育を促すため、田植えの10日前までにいずれかの土壌改良剤を施します。

粒状珪酸苦土鉄   120㌔

鉄強化美土里   60㌔

病害虫防除

防除の基本は箱施用から

使用農薬と対象病害虫

極早生品種(コシヒカリ・あきたこまち)

 フルサポート箱粒剤(移植2日前~移植当日)

  ≪対象病害虫≫
   いもち病・紋枯病・ツマグロヨコバイ・ウンカ類・イネミズゾウムシ
   コブノメイガ・ニカメイチュウ

中生品種及びいもち病多発地域

 デジタルバウアー箱粒剤(移植3日前~移植当日)

  ≪対象病害虫≫
   いもち病・ツマグロヨコバイ・ウンカ類・イネミズゾウムシ
   イネドロオイムシ・フタオビコヤガ・コブノメイガ・ニカメイチュウ

使用方法


 移植前日~当日に1箱当たり50㌘を均一に散布し、葉に付着した薬剤を払い落とします。

5月 イチゴ


病害虫防除(本圃)

≪5月上旬≫

アブラムシ類・コナジラミ類

ウララDF   2,000倍(収穫前日まで2回以内)

育苗期の病害虫防除

農薬の散布回数は、育苗期のランナー切り離しの以降の回数です。

5月 柑きつ


温州みかんの着花対策


着花不足樹

①着花が極端に少なくなることが予想される樹は、つぼみの有無を確認してからせん定
 します。

②前年に果実が成った果梗枝を半分ほど取り除き、発育枝の発生を抑えます。

③できるだけ結果母枝が残るよう、軽くせん定するのが基本ですが、強い立ち枝は基部
 から取り除きます。

④強い新梢が多く発生すると、花と養分を競合するため、落花が多くなります。花に被
 さっている新梢や花の近くの新梢を間引きます。

着花過多樹


 新梢が少ない場合は、満開までに摘蕾か予備枝を再設定します。新梢の確保には摘蕾が効果的ですが、労力的に困難な場合は、予備枝を再設定します。
 新梢は発生後は、エカキムシとアブラムシを防除します。

苦土欠乏対策(10㌃当たり)


 苦土欠乏症が発生した園地では、硫酸マグネシウム60㌔を施します。

苗木の管理


 春芽は1芽に1本となるよう芽かきし、8枚目の葉を摘芯して夏芽を発生させます。
 園地を乾燥させないように潅水します。

病害虫防除

訪花害虫

アドマイヤーフロアブル   4,000倍
 (温州みかん・その他柑きつともに収穫14日前まで3回以内)

灰色かび病

フロンサイドSC   2,000倍
 (温州みかん・その他柑きつともに収穫30日前まで1回以内)
 ※かぶれに注意し、散布後10日以内は入園しないようにします。(レモンに飛散し
  ない)

かいよう病(落花直後)

コサイド3000水和剤   2,000倍

クレフノン   200倍

ミカンサビダニ・カイガラムシ類(落弁後5~10日後)

アプロードエースフロアブル   1,000倍
 (温州みかんは収穫14日前まで1回以内、その他柑きつは収穫45日前まで1回以
  内)

黒点病

エムダイファー水和剤   600倍
 (温州みかんは収穫60日前まで2回以内、その他柑きつは収穫90日前まで2回以
  内)

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